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気持ちに寄り添ったお出迎えとは(後編)

お出迎え後編ここには二つの大きな問題があります。
1つは入店時の行動です。
高級感=挨拶無しで良いという事ではないです!
たしかに何年か前までは高級なイメージの店は入店するなり販売員がしつこく付いて来て、買ってもらいたい気持ちが表情にでていました。
しかし最近はゆっくり見てもらう為の雰囲気を大事にしているお店が増えてきました。それはお店に入る緊張感を感じずにゆったりとお気に入りの商品を選べるのでとても良い事だと思いますが、だからといって入店しやすい雰囲気=入店時に無視する事や気づかない振りをする事ではないのです。
どんな時でも商品整理などをして入りやすいい雰囲気作りをしながら笑顔でお出迎えのご挨拶は必要です。
挨拶とは、お気に入りの素敵な商品と出会うワクワクした気持ちを共感する為の第一歩です。
明るい声と笑顔で「いらっしゃいませ、ごゆっくりご覧くださいませ、」の言葉は、
「足を運んでくれて有難うございます。お手伝いが必要な時を察して伺いますので、安心して店内をご覧ください」
という気持ちを表現した言葉です。
では先ほどの販売員は何故、私の気持ちを気付かなかったのでしょうか?
彼女は私の入店を予測した行動をしていなかったので挨拶するチャンスを逃しました。
また入口付近のワンピースに興味を持った時の表情やしぐさが分かる為の行動が出来ていなかったので私の気持ちにフィットしたお声がけのチャンスを逃しました。
私の表情やしぐさが見える場所に自ら動いていないので、私のアクションが見えず、気持ちを察する事が出来ませんでした。
云い方を変えれば、この段階で私のワクワクした気持ちをもっと共感できるための行動が出来ていたら、この段階で気持ちの距離が縮まって、ほぼ購買に繋がっていたと云えます。

2つ目の問題は試着時の行動です。
試着前と試着後の言葉の受け止めが出来ていない為全く私の気持ちとフィットしませんでした。
寂しい気持ちになってワクワク感が減退してしまいました。
私が試着室から出てきた時の表情や声のトーンから気に入っていている事は推測できたと思います。
自分自身で似合っていると思っているので、それを共感して欲しかっただけなのです。
そのワンピースがどのように私に似合っているかを褒めてもらって自信を持たせて欲しかっただけです。
しかし販売員は「人気ナンバー1のワンピースです!」のフィットしない言葉で会話を終わらせてしまっています。
・・・私が知りたい事は、どのように似合っているかであって、そのワンピースが人気があるかではないので、気持ちにフィットしていません。販売員の言葉の主語はそのワンピースで、私自身は置いてきぼりになってしまっていまいました。

接客とは気持ちの受け止めと気持ちを表現する会話のキャッチボールから成り立ちますので、このスキルをマスターする事がお客様のワクワクした満足感を高める事が出来ます。
お客様に気に入った物を手に入れる満足を味わっていただくのは勿論の事、手に入れるまでのプロセス満足をプラスして味わっていただく事で「またここで買いたい」「また貴方から買いたい」と思っていただける、顧客化につなげる事が出来るのではないでしょうか。

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