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「手洗いできます」は本当ですか?

zara13
9月は残暑が厳しい時期ですが、ファッションは秋の着こなしの移行時期です。
この秋も昨年から流行の上下ゆるコーディネートは健在ですが、新たにトップスがコンパクトなリブニット&ロングボトムのスタイリングが出ていて新鮮です。今の時期ですとカットソー以上ウール未満の薄手で手洗い可能な素材が便利です。
今日私はそんなトップスを探しに何店舗かお店を回り、イメージ通りの薄手のリブ素材のインナーを見つけました!
手に取って素材を確かめると、レーヨン×アクリルです。レーヨンは水に弱いので扱いはドライクリーニングしかできないはず。スタッフに「手洗いできますか?」と聞くと「はい、家で洗えます」・・・レーヨンなのに?っと私は思わず洗濯タグを確認してみました。やはり、手洗い不可でドライクリーニング表示でした。
「選択表示は手洗い不可とあるけど・・・」と私が言うと「大丈夫ですよ・・・私も押し洗いしています」との答え。次のお店でも同じ素材のインナーがあったので、同じ事を質問してみたらまた同じような答えで「表示は手洗い不可ですが、私は押し洗いでソフトに洗っているので大丈夫です」と事・・・貴方はだれ?洗濯の達人?
そして、その次のお店でも同じ答えでした。

レーヨンは肌触りが良くシルクの様な光沢があり上品な素材ですが、手洗いするとシワシワになって縮んでしまいます。またアイロンも裏生地を当てないとテカッテしまい、とてもデリケートな素材です。
購買した後は個人の責任でどの様に扱うかは自由です。しかし販売成立するまではお客様に正しい取り扱い方法をお伝えする事がスタッフの仕事です。
何故、安易に「手洗いできる」「私も洗っているから大丈夫」と言ってしまうのでしょうか?
もしかしたら素材の勉強不足で、化学繊維は全て同じと思っているのかもしれません。
もしかしたらオシャレ着洗いの洗剤はどんな素材でも適応すると思っているのかもしれません。
もしかしたら「手洗い出来ます」の言葉が販売決定率を上げる成功トークとして安易に云ってしまっているのかもしれません。
どちらにしても、販売した後にそのお客様がその商品を長く愛用して頂けているイメージを描けていればこのような言葉は出てこないと思います。言い換えれば「目の前の売上」だけでなく「着用後の満足」までが接客と考えてご提案できるスタッフこそがそのブランドのファンを創れます。
その後に入ったお店で同じ質問をしましたら「レーヨンですのでクリーニングになりますが、その光沢感や肌ざわりは他の化学繊維より着心地が良いです!」と説明してくれので、満足して安心して購買する事が出来ました。

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